安定して資産を形成するためには、一貫性のある運用が必要になります。投資を実践する上で基本戦略となる「長期」・「積立」・「分散」というキーワードについて確認しておきましょう。
長期投資
長期投資とは、その名の通り、じっくりと資産形成するために長期にわたって金融商品を保有し続ける投資方法です。短期的な資産価値の変動に左右されず、安定した収益を得ることが期待できます。
長期投資の最も大きなメリットとして挙げられるのが、「複利効果」を活かせるという点です。複利とは「元金だけでなく、その利子にも利子がつく状態」のことです。短期間では大きな差がなくても、長期になると複利の効果が大きくなります。
当初100万円のお金を年5%の利回りで運用した場合の単利と複利の違いを見てみましょう。単利の場合は、元本100万円に対してもらえる利息は毎年変わらず5万円です。複利の場合でも、1年後は単利と同じくもらえる利息は5万円です。しかし、2年目は元本が105万円になるので得られる利子は5万2500円となり、3年目では元本110万2500円、利子5万5100円となります。このように年々得られる利子が増えることにより、30年間で単利との差額が182万にまで達します。

積立投資
積立投資とは、自分が決めたタイミング・金額で定期的に金融商品を購入する投資方法です。例えば、毎月1日に1万円の予算で、投資信託を購入し続けるといった投資の仕方が、積立投資になります。このように毎月など定期的に、同一商品を定額買い付ける方法を「ドルコスト平均法」と呼びます。定期的に購入することにより、その商品が高い時でも安い時でも買い付けることになり、購入単価を均一化することが出来、高値掴みを回避できます。また毎回1万円など定額で買い付けることにより、単価が安い時により多く、単価が高い時には少ない量を買うことに繋がります。
分散投資
分散投資とは、投資先や購入する時期を分散させることで、価格の変動を抑え、安定したリターンを狙う投資方法です。「資産」と「地域」、「時間」の3つの分散のさせ方があります。
「資産の分散」とは、株式や債権、コモディティなど特徴の異なる複数の資産を組み合わせることです。特定資産に大きな価格変動があっても、複数資産を保有することにより、資産全体での変動を小さくすることが出来、安定した資産運用を可能にします。

「地域の分散」とは、日本国内と国外、あるいは国外でも先進国(米国、ユーロ圏など)と新興国(東南アジア、南米など)のように、複数の地域や通貨の金融商品を組み合わせることです。特定地域に大きな経済変動や地政学的リスクが発生しても、複数地域への投資を行うことで、資産全体での変動を小さくするこが出来、安定した資産運用を可能にします。

「時間の分散」とは、(前述の「積立投資」の説明と重複する内容となりますが)1度にまとめて購入するのではなく、複数のタイミングで購入を行うことです。購入時期を分散することにより、高い時でも安い時でも買い付けることになり、購入単価を均一化することが出来、高値掴みを回避できます。

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